パティオのある家を作ろう

2010年9月6日建築談義

Patioという言葉は、もともと伊語であり、西語です。
これらの国のオリジナルのパティオは、長い歴史をかけて考案されたものです。住宅などの中庭に緑を配し、回廊をめぐらせ、パティオ周囲の部屋は外向きではなくパティオに向けて作られます。そんなオリジナルのパティオにヒントをもらいながら、日本のパティオについて考えましょう。

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[写真]室内側とパティオの床は同じタイルで仕上げています。これでとてもつながった空間になります。

■ パティオを作ると良い事、2つ。

1.【密集地でも、プライバシーを守りつつ、快適な通風と採光を実現】

都心の密集地、道路側に窓を付ければ、道行く人の視線が気になる。交通量が多ければ、窓からの騒音がうるさくてしかたがない。
隣地側に窓を付ければ、お隣さんとのプライバシーが守れない。或いは、お隣の家の壁が見えるだけの窓になってしまう。

こんな難しい立地の場合、パティオの出番です。
周囲からくっきりと切り取られた自分だけの空間、そしてくっきりと切り取られたような自分だけの青空。プライバシーに守られて、防犯にも優れます。自由に窓を開け広げれば、自然の風と光があふれる住まいが出来上がります。

≪キーワード:パティオ、光庭、坪庭、ライトコート≫

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[写真]パティオは住まいの中心、家族が集まって楽しい空間になります。

2.【外部環境と切り離した別世界を作る】

都会ではもちろんのこと、郊外であっても、周囲の環境に影響を受けない空間、或いは、周囲の環境と対比的な環境が作れます。

たとえば、まわりの環境が、退屈で単調な○△○ハウスばかり。或いは、自分の趣味とは相いれない古臭いイメージの環境。そんな環境と縁を切って、室内空間と室外空間を一体的にした、世界に一つだけの自分空間を実現することが出来るのです。

さらに積極的に考えるならば、周囲が自然豊かの環境であっても、内部に造るパティオは都会的なイメージにするとしましょう。そうすれば、外と中で、二つの外部環境を楽しむことが出来るでしょう。

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[写真] アルハンブラ宮殿は、スペイン・グラナダの丘の上に立地しています。そこのパティオでは、周囲の自然から縁を切って、あえて人工的な庭園空間を作り出しています。

■ パティオの効用、現代日本編

効用その1.【室内の延長としての外部のリビング】

パティオは通常、4方、或いは3方を壁に囲まれた外部として作ります。場合によっては、ガラスの屋根をかける事も出来ますね。そんなパティオは、極めて内部的で親密な外部空間になるように作ります。空が見える第2のリビングルームは如何でしょうか?バーベキュー・パーティーも出来ますね。

このように作ると、パティオは自然に住まいの中心になります。家族が自然に集まりたくなる場所です。

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[写真] 手前はダイニングテーブルを中心にした家族の空間、それにつながるパティオ。

効用その2.【パティオをはさんで、つながる空間、広がる空間】

パティオを住まいの中央に作ります。そこには大きなサッシを付けましょう。ガラス越しに、家の向こうの端まで見通せる、広々とした連続空間の出来上がりです。

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[写真] 茶の間から、光庭越しに向こう側の和室まで見通せて、つながり広がる空間を実現。

効用その3.【こっちとあっちの間の距離感をコントロールしよう】

パティオ側に付けるサッシの大きさや位置を調節して、空間の連続感をコントロールしましょう。

パティオのこっちとあっち、リビングとダイニングキッチンなら、大きなサッシでとにかく一体感を。
パティオのこっちとあっち、リビングと祖父母の部屋だったら、声をかけるにちょうど良く、プライバシーも守れる距離感を考えましょう。
パティオのあっちとこっち、リビングと子供部屋だったら、そこそこの独立性とお子さんの気配が分かる距離感にしましょう。

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[写真] 青空を独り占めのパティオ

効用その4.【裏パティオという形も・・・】

裏パティオとは、
洗濯物を干す場所にしたり、
日曜大工などの外部の作業スペースにしたり、
お風呂専用のプライベート・パティオにしたり、
人目を避ける形のパティオ、便利だと思いませんか?

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[写真] パティオに面した、開放的なのに、プライベートなお風呂、窓を開ければ露天風呂気分。

*** 川嶋玄建築事務所の設計事例 ***

⇒ パティオのある家 ~バルセロナの下町にあるような空に向かって開く住宅
⇒ 光庭のある家 ~光を取り入れるためのレイアウト

川嶋玄建築事務所

川嶋玄建築事務所は東京都文京区の住宅設計事務所です。 東京都を始め、埼玉県・神奈川県・千葉県など首都圏を中心に、新築、建替え、リフォームなどの設計、工事監理を行っています。

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