23 July
2010

建築家のデザイン・スタイル.2(住宅編) by 川嶋玄

*** フリーハンドのデザインスタイル ***

*** フリーハンドのデザインスタイル ***

確か29歳の時だったと思います。
「君にすべて任せるから、好きなようにやりなさい。」
と言ってくれた建て主さんがいました。
名も知らぬ29歳の若造に、なんていう事言うんでしょうね。
これには続きがありまして、
「建物が出来てみて、気に入らないところがあったら、
直してくれるのが条件。」

おやおや、これはえらい事です。
建物を設計することは、なんと責任の重い事かと、かなりビビりました。
そして、この時私は、あれもやりたいこれも取り入れてみたいの正反対
に動きました。
少しでも不要と思われるデザイン要素はすべて切り落としたのです。
全てにおいて、抑えて抑えて設計しました。
当時の私の上司は、「もっと思い切ってやっても良いんじゃないか」くらいの事を言うくらいでした。

結果的には、お客さまからも気に入って頂けたと同時に、大切な事を学びました。
つまり、その時のもろもろの条件を良く考えて、デザインにしてもきちんと取捨選択するということ。
その為には、諸条件の前にデザインポリシーがあるのではなくて、諸条件をまとめてデザインポリシーをつくる。

これって、ノンポリでしょうか? そうかも知れませんね。
ホームページの住宅設計例を見て頂いた方には、川嶋のデザインって“ばらばら”という印象を持たれるかも知れません。
川嶋はフレキシブル、或いはヴァーサティルと思って頂ければ幸いなのですが。。。

川嶋はスタート時点では白紙です。先入観を排して、フリーハンドで臨むことを心がけます。
個人的には、もちろん色々な「好み」や「嫌い」があることは事実です。
しかしそれに捉われすぎると、デザイン(=設計)の選択肢を狭めてしまうように思うのです。
極論すれば、好き嫌いが無いほうが自由自在であるとは思いませんか?
結果的に、お客様に出会うたびに、そのご家族にはどんな住まいが似つかわしいのか考えるたびに、色々なデザインが生まれます。

では、具体的な例を取って、その時にどのような考え方でそのデザインに至ったのか、説明してゆきましょう。

(続く)


Posted by kawashimagen at 14:07
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