建築家のデザイン・スタイル.4(住宅編) by川嶋玄
[写真説明]:ゲートをくぐる様にして入る玄関アプローチ、赤茶色の玄関扉、エクリプスがモチーフのステンドグラス、添えられた植栽(ハナミズキ、つた類)
建築家のデザインスタイル.4 by 川嶋玄
ケーススタディー:イエローハウスの場合
(デザインの過程を箇条書きにしてみました。)
【 a. デザイン発想のヒントになるもの 】
○遊び心を呼ぶヒント :
黄色の外壁という建築主の希望
暖炉を付けたい⇒つまり煙突が立つ
ステンドグラスを付けたい
○親しみやすさとプライバシーの両立というテーマ :
東京の下町という、親密な近隣関係の立地
○RC造で建てたいという条件 :
重くならずに、やわらかい表現を。
【 b. 求めるイメージは、 】
+ 遊び心溢れる、
+ やわらかく、親しみやすい、
+ しかも適度なプライバシー感覚。
[写真説明]:雑然とした下町の風景に挿入されたヨーロッパ風の小住宅
[写真説明]:玄関アプローチから見上げる大きなガラス窓、ポリカーボネートの雨よけ。
【 c. 全体のデザインテーマを決める 】
* ヨーロッパの *
* 小さな町に *
* あるような *
* 若い家族の *
* 住む家 *
【 d. 具体的なデザイン手法は、 】
造形 :RCのマス(矩形)と壁を組み合わせる。重くならずに、優しくて、立体感にメリハリのある形。
色彩 :黄色をベースに、茶・緑・ピンクをあしらう色彩感覚(扉、手すり、庇、まぐさ、タイル)
素材 :コンクリートに木を組み合わせて、優しさの素材感。(木の扉、手すり、庇)
遊び :ポリカや鉄の工業部品も、遊び心のある形。(ポリカの庇と鉄パイプの支柱)
気心 :コーナーには植物を配して、近隣とのコミュニケーション感覚を生む。
こんな具合にして、イエローハウスのデザイン誕生でした。
[写真説明]:カラフルなイタリアンタイル貼りのキッチン
[写真説明]:トルコグリーンの壁タイル、空の見えるトップライトつきの浴室。